親子リレー返済を使用すれば、収入が低くても借り入れできるって本当?
最近は、以前に比べて二世帯住宅が増えてきているように思えます。がっちりとした同居ではなく、入り口や生活ゾーンを分けた形がトレンドでしょうか。子供側から見ると夫婦が共働きの場合には子供の面倒を見てもらえますし、親側から見ると何かあったときに子供がすぐ近くにいるのはとても安心ですし、孫の顔もすぐ見れます。それだけでなく、震災がきっかけで親と同居や二世帯住宅を考える人も増えたようです。
今現在、親と同居のために家の新築などを考えている方もいらっしゃると思います。その際に利用することになるであろう住宅ローンですが、親側からすると、ある程度高齢になってしまうと、ローンを組みにくくなりますし、組めたとしても返済期間が短く、負担が大きくなってしまいます。子供側ではまだ若いために収入があまりなく返済計画が厳しかったり、貯蓄に不安があるとローンを組みにくいですし、収入が低いと審査も通るかどうかわかりません。そんな時には、親子リレー返済を選択肢の一つに加えてみるのはいかがでしょうか。
親子リレー返済とは、その名の通り親子でローンを返済していく形式の金融商品です。親が返済できなかった分のローンを子供が受け継ぎ完済していくという形ですので、親が高齢であっても、子供が引き続き返済していくので最長35年のローンを組むことが出来るという点は大きなメリットです。返済期間が長くなるということは、それだけ融資額も大きくなったり、審査も通りやすくなります。また、親が返済を行なっている間は子供は返済を行わなくてもよいため、子供側の金銭負担が軽くなり貯蓄に回すこともできます。
親子リレー返済のメリットは大きいですが注意点もあります。まずは、親子ローン返済の申込者は親になりますが、子は連帯保証人ではなく連帯債務者となる点です。連帯保証人は、ローンの申込者が返済できない状態になって初めて返済の義務が発生しますが、連帯債務者は申込者が返済できない場合ではなくても返済の義務が生じます。もちろん普通ではありえないことですが、極端に言えば子供側に対してローンを返済してくださいと金融機関が言うことも可能だということです。(繰り返しになりますが、もちろん一般的な金融機関でそのようなことをすることはありません)加えて、連帯債務者である子供は借金をしている扱いになっていますので、今後車の買い替えの際にローンを組みたいな、と思っても審査が厳しくなったり融資額が少なくなる可能性があります。次に、親子リレー返済でままある例として、急に親が亡くなってしまったり病気になってしまったりして返済が出来なくなってしまうことがあります。親が団体信用生命保険などの保険に加入していれば保険金からローンの返済が行えますが、加入していない場合は子供が残りのローンを全て返済しなければなりません。返済額は親の年収が基準となって決められるため、まだ子供が若いと返済額が年収にそぐわない額になってしまうこともあるのです。後は、資産の線引が曖昧なので、返済額は親と子でどのくらいずつ負担するのか、相続時にはどうするのかなどの点でしっかり話しあって明確にしておく必要があります。
高齢になっても子供と協力して返済を行えるのは非常に魅力的ですが、その分他のローンに比べて注意点も多くなっています。親側、子供側両方がしっかりとメリットとデメリットを把握し、親側は子供側に不要な迷惑をかけないように、子供側は自分で予定よりも多く返済する場合になった時のことを考えて、比較検討するようにしましょう。